楽園
イカ崎やったろう : 2020/11/05(Thu) 13:48
No.7826
|
|
|
トンネルとトンネルの間の僅かなスペースに愛車を停め、細く浅い谷沿いの獣道を重い荷物を両肩、両腕に持ち、安物の長靴をガポガポいわせながらやっとの思いで浜に出た。誰も居ない私だけのプライベートビーチだ。高まる期待と興奮を抑えながら、力強くもソフトランディングに配慮して、今しがた恵比須顔の大将から購入したアジを投げ込んだ。空を仰ぐとやや欠けた月に星降る夜。俗世間離れしたこの場所にいるだけで幸福感に満ち溢れた。道中の小谷は知る人ぞ知るハミ谷だそうだ。 つづく。
|
|